立ち続けたり、座り続けていると、足が痛くなってきてシビレも出てきた。いづれ良くなるだろうと思い、そのままにしておくと痛みが次第に強くなってきた。
心配になって調べてみると、重度の腰の状態に当てはまる。
書いてあるのは、最悪は「手術」ということ。
でも腰を手術して神経に当たったら…と考えると不安で手術はできるだけやりたくない。
ご自身で良くできる方法を千葉県八千代市の整体師が解説していきます。
重度な腰の痛みの3つの種類
①神経根型
症状:疼痛
片側だけの圧迫が多い
②馬尾型
症状:しびれ
両側の圧迫
③混合型
症状:疼痛+しびれ
両側の圧迫
腰の周りの神経根に異状が発生して、痛みを伴って発症する「神経根型」と、シビレなどの感覚異状を伴う「馬尾型」、そしてその両方を発症する「混合型」の3種類からなっています。
これらについて、もう少し詳しく解説していきます。
神経根型については、不良姿勢によって神経が圧迫されている状態。
または血流障害が起きて神経に血液が行き届かなくなっていることが原因である場合が多いです。
そのため、その点を回復すれば、痛みも自然と治っていくことが多いです。
姿勢矯正のトレーニングや、血管を強くする動作を繰り返すことで、手術をするまでもなく、痛みが取れていきます。
逆に馬尾型は、ドクターも「手術をしても感覚異状はなかなか治りませんよ」などと言ったりします。
私自身も、この患者さんは馬尾型の重度な腰の痛みだと判断した際には、100%良くなりますとは言えておりません。混合型も同様です。
重度な腰の痛みを良くするには?
次に、重度な腰の痛みになった場合の日常の過ごし方について解説します。
寝込んだり安静にしたりする必要はなく、痛みが悪化しない範囲で普段通り過ごしていただいても問題はありません。むしろ、痛みのせいで体を動かさないでいる事の方が大きな問題となります。
また、日常にひと工夫加えることにより、ある程度のセルフケアをすることもできます。
不調をやわらげるためにするべきことを紹介していきます。
①歩く事
痛くて歩くことがつらくてもなるべく歩くようにしてください。歩かないでいると、さらに歩けない体になってしまいます。
歩く目的は筋肉の維持です。
神経の状態が正常の状態ではありません。それが回復されて元の状態に戻っていく際に、もし全然歩いていなくて筋肉が弱くなっていたら、発症する前より格段に歩けない体になるのです。
神経の状態が元に戻ったときのことを考慮して、痛くても歩いておくことで筋肉を鍛えておきましょう。
また、神経に栄養を届ける血管が何らかの障害を受け、血流が途絶えてしまった場合、別の血流ルートを作ろうとします。
例えば、やや重い脳梗塞を発症して、手が麻痺してしまったとします。
リハビリをすることで手の動きは徐々に取り戻していくことができます。
それは、脳梗塞で止められてしまった血流がまた流れたことで麻痺が改善されたのではなく、別のルートで血が流れるようになったためなのです。
血流が滞ってしまったのをただやり過ごしていては、そのような機能は発揮されません。
使うことによって、血液の流れが必要だと体に認識させなければ、わざわざ血流の別ルートなんて作られないのです。
つまり、歩かずに過ごしていれば、体が「この体はもう歩かせなくていいんだ」と勘違いをした判断をし、神経や血管が積極的に自ら良くなろうとする力を弱らせます。
ですから、痛くても歩くようにしてください。できたら40分は続けて歩き続けたいところです。
②水分摂取
腎臓の働きはご存知でしょうか?「尿を作り出すところ」というのはよく知られていますね。血液をろ過し、不要物をおしっこに変えます。
でもそれだけではなく、ほかにも大事な役割があります。腎臓には、血液中のカルシウム濃度を検知する働きがあります。
ですから腎臓と骨は深い関わりがあり、腎臓の働きが鈍くなると、骨の代謝も悪くなるのです。
脊柱管狭窄症の人は、痛みがあってもできるだけ歩いてほしいと伝えました。元気に歩くためには、筋肉だけでなく骨も強くしてあげなくてはなりません。
骨の状態がよくなれば、脊柱管狭窄症もスムーズに改善させられます。だから、歩くことが必要な患者さんにとっては、骨のために腎臓を休めてあげることが大事なのです。
とはいっても腎臓の働きをストップさせることはできませんから、水を飲みます。水を飲むことで、血液がドロドロからサラサラになります。
ドロドロの血液とサラサラの血液、ろ過するのはどっちが楽でしょうか?考えるまでもなく、サラサラの方ですよね。
水をたくさん飲んで、血液をサラサラにしましょう。
「水はどれくらい飲んだらいいですか?」という質問をよくいただきます。
体重×30mlという式を覚えておきましょう。体重が50キロの人なら、50×30ml=1500ml、つまり1,5リットルとなります。
夏場は汗をかくのでもう少し増やしてもいいでしょう
③食事(お米を食べて、果実を減らす)
脳が、体を動かす指令を出す際のエネルギー源となります。
最近、お米を食べずに過ごす人が増えています。糖質制限ダイエットなども流行っていますね。
お米を食べなければ、必要なブドウ糖が補給されなくなります。
ブドウ糖が補給されなくなるとどうなるのかというと、脳が、筋肉や内臓など体の別の部位からエネルギーを得ようとするのです。
すると、筋肉や内臓が分解されてしまいます。筋肉が分解されてボロボロになれば、筋肉で支えられるべき骨も通常の状態ではなくなります。
骨のためにも、筋肉はいい状態にしておかなくてはなりません。
むやみに炭水化物をカットするのは、このように体に長期的に悪影響を及ぼしますから、きちんとお米を食べるようにしてください。
そして果物について。果物には「果糖」という糖がたくさん含まれています。食べたら、体はこの果糖を分解しなくてはなりません。
その際に必要な栄養素がカルシウムです。
カルシウムは骨にとって大事な栄養素なので、糖の分解のためにあまり消費したくはありません。
確かに果物には、ビタミンや食物繊維など、体に良い栄養素が多く含まれています。
ですのでほどほどに召し上がるのは全く問題ありません。
バナナが消化にいいからといって2本3本と食べたり、冬にコタツの中でミカンを5個も食べたり、といった「食べすぎ」を避けていただきたいのです。
果糖の摂取量を減らしてカルシウムの無駄遣いを防ぐ、このことを意識してください。
セルフケア方法はこの三つ、「歩く」「水を飲む」「お米を食べて果物を減らす」となります。この三つのポイントをおさえるだけで、脊柱管狭窄が和らぎますので、痛くて困っているという方は試してみて下さい。