病院などで膝痛・加齢からくるもの・変形性膝関節症と言われ、不調が中々回復せずご自身で色んなアプローチを試している方も多いのではないかと思います。
しかし、アプローチの内容によっては膝の不調を返って強めてしまっている可能性があります。そこで今回は膝の不調の際にしてはいけない事をご紹介していきます。
膝の不調には数多くの種類が存在する
先ず、大事なことは膝の不調の種類は1つだけではなく、数多く存在しています。膝の不調の種類によってしてはいけない事が異なるという事を知っておいてください。
・変形性膝関節症
50代を過ぎたあたりから出やすい不調。男性よりも女性の方が約4倍多いと言われています。
・ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)
膝のお皿の下にある膝蓋靭帯が炎症を起こす不調です。ジャンプを多くするスポーツで起こりやすいです。(エアロビクス・バレーボール・バスケットボールなど)
・半月板損傷、断裂
半月板は膝の関節の内側と外側に1つずつ存在している軟骨組織です。負担や荷重がかかった際に半月板がその衝撃を和らげてくれるクッションの働きをしています。外傷(事故やケガ)、加齢によって起こる事が多く。加齢からくる半月板損傷は変形性膝関節症も起こしている可能性があります。
・靭帯損傷
膝の関節には骨と骨の間に靭帯が4種類存在しています。その中でも損傷をしやすいのが内側側副靭帯と前十字靭帯の2つになります。こちらも運動中や交通事故などのけがの際に起こりやすいです。
・オスグット・シュラッター
膝を酷使した際に膝の下にあるすねの骨(脛骨粗面)が隆起して、炎症や腫れが起こる不調です。
・鵞足炎
膝下にあるすねの骨(脛骨内側)で炎症が起こる不調です。鵞足と呼ばれている場所は半腱様筋、大腿薄筋、縫工筋。これら3つの筋肉が付着しています。ランニングなどの運動で膝を酷使した際に起こりやすいです。
してはいけないこと
1 温める
膝が痛い時には基本的には温めるより冷やしていただいた方が不調が早く回復しやすいです。膝の不調の種類にもよりますが、変形性膝関節症では不調の段階が3段階あり、どの段階でも炎症や腫れが出ていることがあります。形が変わって変形するという事はそこの部位に何かしらの負担(力)=熱が加わってしまっています。痛みが強い時に痛い方の膝と、そうでない方の膝をお互いに触ってみて暖かさが異なれば炎症が出ている可能性が高く、安静状態で膝の部分にズキズキとする痛みが感じていればそれも炎症が出ている可能性が高いです。温めることによってその時は楽に感じるかもしれませんが、炎症や腫れを強めてしまう可能性がありますので気を付けましょう。
2 和式での生活
和式のトイレでしゃがむであったり、椅子などに座らずに床に座って過ごしていると負担がかかりやすくなります。できるだけ、椅子やソファなどでも構わないので座って生活することを心がけましょう。
3 階段の下り
階段の下りは膝に強い負担がかかります。平地を歩いている時の荷重割合に対して、階段の下りの際は約5倍以上の負荷がかかると言われています。階段の上りに関しては不調の感じ方が弱ければ積極的に利用をした方が良いです。階段の上りの際にはお尻の筋肉が使われやすく、お尻の筋肉は膝の負担を軽減するのにとても大切な筋肉となります。どうしても階段を下りないといけない環境で生活をしている方は
・背中を伸ばす
・膝が内側に入らないようにする
・優しく足を着く
・自宅内であればスリッパを履かない
これらの事を意識してみると良いですね。
4 運動のし過ぎ・しなさすぎ
運動のし過ぎ・しなさすぎも膝の不調を強めてしまう可能性があります。今まで運動をあまりしていなかった方が急に体を動かし始めると、体は運動の順応性が出来上がっていないので、炎症や腫れが強くなりやすくなることがあります。また、運動をする内容にも注意が必要で(エアロビクス・ゴルフ・ランニング)などは膝に捻じが加わりやすく不調を強めることがあります。
不調が強くなるのが怖いからと運動を全くしないのも良くありません。運動不足の状態になると膝周囲の筋力が弱くなるだけではなく、骨や関節の強度、他の筋力も弱くなる可能性が出てくるため、その影響で姿勢が悪くなり、膝以外の場所に不調が出てしまうケースもあります。
分からなかったら…
もし、自分でどのようにアプローチをして良いのか分からない場合は、専門の方にご相談をして、アドバイスをいただく事をおススメします。